私たちを言葉から開放して―【10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」】

コラム

「友達からこんなことを言われた」「親からこんな風に言われた」と悩んでいたりしませんか?

「言葉は一歩間違えると凶器になる」という文言は有名です。

今回、言葉の処方箋を探すためこちらの本を読んでみました。

「10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」」

著者:「森山至貴」先生の紹介

  • 東京大学大学院総合文化研究科国際社会学科専攻助教、早稲田大学文学学術院専任講師を経て現在同准教授
  • 専門は社会学、クィア・スタディーズ
  • 著書:『「ゲイコミュニティ」の社会学』(勁草書房)、『LGBTを読みとく―クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書)

タイトルからの印象は正直「内容薄そう・・・」でしたが、読んでみて一変しました。
これはすごいぞ、と。

本書は29個の「あるあるな言葉」を取り上げて、その言葉に隠された人の心理・本質を解説しています。加えて対策法まで教えてくれるので、悩んでいる人は解決方法を知れる。

本記事の内容

  • part.1「正しい」と認めることの難しさ
  • part.2 本当に困っているときこそ、「助けて」と言えない理由
  • part.3「昔はそれが普通だった」という言葉に隠された裏側を読み解く

私のように「無意識に誰かを傷つけていないか不安」「こんな時、なんて言ったら良いのかわからない」という悩みにも解決の糸口が見いだせる話が盛りだくさんです。
ぜひ、最後までお読みください。

part.1「正しい」と認めることの難しさ


世の中には「正しい・間違い」で定義されないものがとても多いです。

①「正しい」と認めることがなぜ難しいのか

人は「正しい」と判断するときに、自分もその正しいことをするべきだと考える、と本書ではいっています。

例えば、

  • 「そのファッションはないよ~」
  • 「勉強だけやってればいいわけじゃないよね」

別に正解はないしそれも正しいと思える内容でも、上記のように言ってしまうことはよくあります。
これを「正しい」と定義する言い方にするとどうなるか。

「正しい」を定義する言い方

  • 「こういうファッションが正しいよ。」
  • 「勉強と部活を両立させるのが正解だよ。」

あまり聞き慣れない言い方ですよね。
正解を押し付ける言い方をする時、人は「自分もこれを行っている必要がある」と無意識のうちに感じます。

つまり、「~をすることが正しい」という言い方は相当な意思がない限りできないのです。

でも、人は自分が正しいと無意識で他人にアピールしたい。
何も考えず、正しくないのに簡単に「正しい人」になれる方法があるのです。

②相手を非難することが、自分を正しくみせるための方法

それは、相手を非難するやり方です。

「それは間違ってるよね!」と伝えることで、その行為をしていない私は「正しい人だ」という解釈ができると本書はいっています。

先程紹介した例をもう一度挙げると

  • 「そのファッションはないよ(否定)」
  • 「勉強だけやっていればいいわけじゃないよ(否定)」

否定の言葉を投げかけることで、それをしていない自分が正しい!と思えるのです。
※何度もいいますが、ファッションや勉強に正解はありません。

振り返ってみると、自分の経験でも思い当たる点がいくつもでてくるのではないでしょうか。
私自身、当事者になっていたなあと反省する点がいくつもありました。

では次に、もし自分の意見を否定されたらどうしたらいいのか考えてみましょう。

③「あなたは間違っている!」と指摘されたら

「本当に私は間違っているのか?」という疑問を持ちましょう。

本書では理性=「きちんとものを考えられる」人間の能力、といっています。
この理性をたくさん働かせて、考える。

そうすれば、相手の意見がおかしいのか、的を射ているのかがわかるはずです。

難しかったら、親しい友人に相談したりネットでいろんな意見に触れたりするのもいい策でしょう。

自分より年上の人に相談するのもありです。経験はなによりもの資産で、自分にはないものですからね。

※この場合、「時代がそうだった」とか言われたらちょっと注意が必要かも。私たちがしている話は「今」なので、時代を理由に出されると参考にできなくなることが多いです。これも本書に書かれています。

なんにせよ、あなたが自分の頭で考えて結論を出すことが大切です。
すると段々「相手の意見に左右されず自分の頭で考え動ける人」に成長していきます。

part.2 本当に困っているときこそ、「助けて」と言えない理由


世の中に起こる「死体遺棄」や「虐待」などの残酷なニュースを見て、「犯人は誰にも相談できなかったのかなあ・・・」とずっと疑問でした。

①本当に困っているときこそ「助けて」と言えない理由

抱えているものが大きければ大きいほど、

  • 「相手を巻き込みたくない」
  • 「負担を与えたくない」
  • 「嫌われたくない」
  • 「否定されたくない」

こんな感情を抱きます。

当然といえば当然かもしれません。
「人に迷惑をかけたくない」という気持ちは、「人に迷惑をかけるんじゃない!」という幼少期からの教育が身にしみているからです。

加えて、本書では人は相手にしんどい状況を打ち明けられると、「助けなきゃ!」と積極的になにか関わるべきだと考えてしまう、と言います。

「私のことで考えさせてしまう、悩ませてしまう」これが「申し訳ない」そんな風に捉えられてしまうのでしょう。

②話してくれた時の返答:NGワード

とはいえ、身近な人が自分に悩みを打ち明けてくれたとします。
そんなときに、絶対に言ってはいけなNGワードを知っておきましょう。

NGワード

「もっと早く言ってくれればよかったのに。」

これです。このようなニュアンスを含むもの全部です。
(ex.私に相談してくれればよかったのに!とか、溜め込むべきじゃないよ~とかもそうです)

なぜだめなのか

「困っているなら困っていると言えるはず」という前提を押し付けていることになるからです。
暗に「早く言わなかったあなたが悪い」というメッセージを伝えていることになります。

言われた相手はもっと相談しづらくなってしまいます。

③話してくれたときの返答:OKワード

相手を責めるのではなく、こんな言葉を返しましょう。

  • 「気づかなくてごめん。なにか手助けできることはある?」
  • 「一人で大変だったね。話してくれてありがとう。」

まずは勇気を出して話しくれたことに労いの気持ちを感謝として伝える。
+α、手伝えることがあるなら手伝うよと一言添えると「この人に相談してよかった」と安心してもらえます。

とにかく相手の話を聞いて、アドバイスはしない。

「傾聴(けいちょう)」とも言うのですが、ただ話をするだけで心の重荷やごちゃごちゃした思考がまとまることは非常に多いのです。

みなさんも、誰かに悩みの相談をされたら「ただただ聞く」ということをぜひ実行してみてください。

そして、その後に「話をしてくれてありがとう」といつでもあなたの味方であることを伝えてあげたら、その人にとってかけがえのない人になるでしょう。

part.3「昔はそれが普通だった」という言葉に隠された裏側を読み解く


そもそも普通ってなんですか?

①「昔はそれが普通だった」の「普通」とは

「普通」には、「珍しくない」という意味合いがありますよね。
本書では、それに加え「皆がそうするべき」という意味で解釈されることがあると言っています。

「それが普通じゃん~!」
なんて言われたこと、みなさんも一生に一度くらいはありますよね。
私は割と変わった考えをしていることが多かったので、大学に入ってからも言われた経験があります。

その度に感じる「普通ってなんだよ・・・」というモヤモヤは、まさにこれだったんです。

でも、今私たちは色々な経験をして自分の意見や考え方を形成していますよね。
その過程で、昔の考え方が淘汰されてきたとも言えると思うのです。

②冷静に考えてみて

本書では、「今がそういう時代ではないのは、そういう時代ではあってはいけないと考えて行動した人たちがいたからだ」と言っています。

なかなか深い言葉です。

あなたの「普通じゃない」「昔とは違う」そんな価値観は、先駆者が勇気を出して行動を起こした末に培った習慣・情報などに基づくわけです。

だから決して間違っていることなんてないんですよね。

まとめ

以上、「10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」」でした。

社会人ですが、過去と今後のもやもやに対応できる考え方が身についたなと思います。

本記事のまとめ

  • part.1「正しい」と認めることの難しさ
    →自分を「正しい人」だとみせるために、相手を批判してしまう
  • part.2 本当に困っているときこそ、「助けて」と言えない理由
    →人はしんどい状況を打ち明けられると、「何かしなきゃ!」と積極的に関わろうとする。その心理を想像して、余計に「助けて」が言えなくなる。
  • part.3「昔はそれが普通だった」という言葉に隠された裏側を読み解く
    →「普通」が「皆がそうするべき」と解釈されることがある。でもこれは間違い。

残念ながら、きついことを言ってくる人や偏見に満ちた発言をしてくる人は多いです。
そんな時、自分や大切な人を守れるのは「これは違うよ」といえる根拠と自信だと思います。

本書は、両者を身につけるためのいい指南書となるでしょう。
ぜひ、「言葉に悩みがちな人」「誰も傷つけたくない人」には手にとって読んでほしいです↓

それでは、今回はこのへんで。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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