【看護】「パーキンソン病」を知ろう!【新人看護師のための病態生理】

キャリア 知識

パーキンソン病のことをもっと知りたい!

今回は、パーキンソン病について病態生理と治療についてまとめていきます。

本記事の内容

新人看護師さんだけではなく、国試を控えている看護学生さんにも役立つかな、と思いますのでぜひ参考にしてくださいね(`・ω・´)ゞ

執筆にあたり、こちらの書籍を参考にいたしました↓

注意:本記事は筆者の勉強のまとめですので、あくまで参考程度にしてください。

「パーキンソン病」の病態生理まるわかり!


疫学と発症する機序を超簡単に解説します。

疫学

「パーキンソン病」とは30歳以降に発症し、高齢に慣ればなるほど発病率が高くなる疾患です。

日本だと10万人あたり100~300人くらいの患者がおり、神経疾患の中ではアルツハイマー病に次ぐ患者数の多さを記録しています。

発症する機序

「どこに異常があってそうなるのか」というところを理解しましょう。

まずは脳をさらっとおさらいです。

脳幹・・・中脳、矯、延髄でしたよね。

中脳を断面図でみた時、中央あたりにある「黒質」という黒い組織(メラニンの集まり)から、ドパミンは放出されています。

放出されたドパミンは大脳の「線条体」に運ばれ作用し、私達のスムーズな身体活動を可能にするのです。

(図では黒くありませんが↓)


引用:パーキンソン病 Minds版やさしい解説

 

パーキンソン病は、何らかの原因で黒質部分を構成する細胞が形を変えて壊れてしまう病気です。

するとドパミンが作られなくなるので、脳内がドパミン不足に陥ります。
当然、線条体にも運ばれません。

つまり「パーキンソン病は、中脳のドパミンを作る細胞が壊れるためドパミン不足になり発症する」とわかりやすく説明ができます。

難しい言葉を求められたら「中脳黒漆神経細胞脱落によりドパミンが欠乏し、大脳基底核回路の機能異常が引き起こされて発症する」と言ってください。

ちなみに細胞が壊れる原因となるのが、「レビー小体」です。

レビー小体の出現

レビー小体が神経細胞にたまると、その細胞がダメージを受けて減ってしまうことがわかっています。

レビー小体はタンパク質の塊で、本来私たちの体には存在しないものです。
中身は「アルファ・シヌクレイン」という異常なタンパク質。

レビー小体は黒質だけではなくて嗅球や大脳全体、末梢の自律神経などにもでてくるみたいで・・

レビー小体の出現が、この後に解説する運動症状、非運動症状にも関連していると考えられています。

「パーキンソン病」の症状1.運動症状


看護するとき「どんな症状が一般的にあるのかな」という知識があるとアセスメントにとても役立ちます。
代表的な運動症状は以下です↓

  1. 振戦
  2. すくみ足
  3. 小刻み歩行
  4. 姿勢保持障害
  5. 筋強剛運動緩慢

1.振戦

手や足が小刻みにふるえてしまう現象をいいます。

安静時にも突然震えが始まったりするので、無理に抑えないようにしましょう。

2.すくみ足

歩こう、と思っていても第一歩が踏み出せない状態をいいます。

「緊張で足がすくんで動けない・・・」みたいな状態に近いですね。
転倒に至るリスクがあるので、歩行介助に当たる際にはリスクを常に念頭においておきましょう。

3.小刻み歩行

歩幅が小さくなるため、よちよち歩きのようになる現象をいいます。

患者さんのペースで安全に歩行できるように、介助していきましょう。

4.姿勢保持障害

姿勢のバランスがとれにくくなる状態です。

立位だけでなく座位の保持もできなくなることがあります。

安楽な姿勢が保てているか、また車椅子に乗っている場合には傾いてしまっていないかなど注意してみるようにしましょう。

5.筋強剛運動緩慢

全身の筋肉がこわばって固くなり、痛みをともなうこともある状態です。

動きもゆるやかになるので、患者のペースに合わせて痛みが増強しないようケアしていく必要があります。

「パーキンソン病」の症状2.非運動症状


代表的な非運動症状は以下です↓

  1. 便秘
  2. 幻覚
  3. 睡眠障害
  4. 嗅覚障害
  5. 起立性低血圧
  6. 衝動制御障害
  7. REM睡眠行動異常症(RBD)

1.便秘

便秘は頻度が高いので、薬剤の調整が必要となります。

『偽性腸閉塞』に注意する必要があるので、腸蠕動音や主訴に注意し観察していきましょう

2.幻覚

幻覚のなかでも、幻視が多いと言われています。

全てを否定せず、まずは受け止めて落ち着いて休息できるよう環境を整えましょう。

3.睡眠障害

薬の調整は必要ですが、看護師サイドで環境を整えることも効果的です。

昼夜逆転生活になってしまうと戻すのが結構難しかったりするので、予防できるよう介入していきましょう。
運動症状に注意しながら、日中覚醒を促すことが大切です。

4.嗅覚障害

嗅覚障害はほぼ必発します。

食事の好みの変化や、その他困っていることがないか傾聴しながらケアしていきましょう。

5.起立性低血圧

自律神経の障害で起立性低血圧が起こります。

血圧の変動が激しいことがあるため、転倒転落リスクがあります。

  • トイレなど行く際には必ずナースコールを押してもらえるように説明する
  • 認知機能が低下している人ならマッタセンサーなど設置する

など予防策をしっかりとたてるようにしましょう。

6.衝動制御障害

「衝動制御障害」とは自分のしたいことを我慢できない状態です。

なかには「安全のためにどうしても我慢してもらいたい!」ということもあると思います。
その場合強いストレスを与えてしまうことになるのでメンタルケアが必須です。

精神科の介入がある場合があります。

7.REM睡眠行動異常症(RBD)

REM睡眠中に大声を出したり、あるき出すなど行動を起こしたりします。

転倒転落リスクがあるため、夜間だけうーごくんを装着するなどして工夫をしましょう。

症状の解説は以上です。

結構長くなってしまいましたね。症状とそれに対する注意点は看護に活かしやすいと思いましたので、丁寧に書きました。

では最後に、「パーキンソン病の治療」について説明します。

「パーキンソン病」の治療(ここは簡単に解説)


治療は医師が選択するものなので、現在行われている内科的治療と外科的治療についてイメージがつくよう簡単に解説します。

外科的な操作についての解説はここではしていません。ご注意ください!

内科的治療

内科的には「お薬」による治療を行います。

代表的なお薬は以下です。

代表的な抗パーキンソン病薬

  • L-dopa/DCI配合錠
    :レボドパやメネシット、ネオドパストンなど
  • ドパミンアゴニスト
    :プラミペキソール(ビ・シフロール)、ロピニロール(レキップ)、ロチゴン(ニュープロ)など
  • ドパミン放出促進薬
    :アマンタジン(シンメトレル)
パーキンソン病の患者さんはお薬の日内変動があるので、「今はお薬が効いている時間だな」「今は違うな」といった観察も大事です。

抗パーキンソン病は「パーキンソン病」そのものに対する治療薬ですが、前章で紹介した「非運動症状」に対してもお薬が使われます。

例えばですが

  • 便秘
    →酸化マグネシウム、ピコスルファートナトリウムなど
  • 不眠
    →ゾルピデム(マイスリー)、ゾピクロン(アモバン)など
  • 幻覚
    →クエチアピン(セロクエル)など

こんな感じでお薬が選択されていきます。

実際に病棟で、「この患者さんはこういう症状がでているからこのお薬を使っているんだな」という結びつきができたら最高ですね!

外科的治療

これには2つあります。

  1. 定位脳手術
  2. レボドパ/カルビドパ配合経腸用液(デュオードパ:LCIG)療法

なんだか難しそうな感じ。

加えて1.定位脳手術には方法が2つありました↓

  • (1)神経核を破壊する方法
  • (2)慢性的に植え込んだ電極で刺激し神経核の活動を下げる方法(脳深部刺激法:DBS)
脳外は他科なので今回は勉強しませんでした。また機会があれば追加します

2.レボドパ/カルビドパ配合経腸用液(デュオードパ:LCIG)療法に関しては、簡単に解説しますね。

なんと、十二指腸までチューブを伸ばす特殊な胃ろうを作り、そこから直接エルドパを注入してwearing offを改善させるみたいです。

パーキンソン病にはリハビリも効果的

LSVT療法といって、意識的に大声や大きな動きをすることで発声や運動を改善させる治療が有効と噂されています。

医学はどんどん進歩するので、お薬を使わなくても効果のある治療法が確立されてほしいです。

「パーキンソン病」まとめ

以上、「パーキンソン病」を知ろう!新人看護師のための病態生理でした。

「パーキンソン病」のポイント

  • 「パーキンソン病」は中脳の黒質がぶっ壊れるために生じる「脳内ドパミン不足」状態
  • ドパミンは身体をスムーズに動かしたり自律神経に作用するので、それらに異常を来してしまう
  • 代表的な運動症状は5つ
    →①振戦、②すくみ足、③小刻み歩行、④姿勢保持障害、⑤筋強剛運動緩慢
  • 代表的な非運動症状は7つ
    →①便秘、②幻覚、③睡眠障害、④嗅覚障害、⑤起立性低血圧、⑥衝動制御障害、⑦REM睡眠行動異常症(RBD)
  • 治療は内服治療と外科的治療があります
日々わからないところだらけですが、だからこそ勉強の積み重ねって大事ですよね。

適切なケアに結びつけるためには、患者の苦痛に気づく必要がある。
そして、その気付きは患者の観察だけではなくて必ず背景にある疾患の知識が必須だと思っています。

それでは、今回はこの辺で。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

参考