【看護】『痛風・高尿酸血症』を知ろう!【新人看護師のための病態生理】

キャリア 知識

「痛風」の看護にイメージが沸かない新人看護師「『痛風』や『高尿酸血症』の患者さんよく見るけど、どんな治療をしていてどんな介入をしていけばいいのかよくわからない。詳しく知りたいな!」

今回はこんな疑問に答えます。

本記事の内容

病態から検査データ、治療、看護まで一通りまとめました。

痛風を持つ高齢の患者さんは結構多いので、今回しっかりと知識をつけて臨床に活かしていきましょう!

注意:本記事は筆者の勉強のまとめですので、あくまで参考程度にしてください。

「痛風・高尿酸血症」の病態生理


原因は高尿酸血症です。これが続くと、痛風が起こります。

病態生理

まず「尿酸」を説明します。

尿酸とは

尿酸とは、身体の中で「プリン体」という物質が分解されてできるものです。

通常、尿酸は血中濃度7mg/dL以下で保たれています。

でも、様々な理由で血液中の尿酸値が上がってきて、7mg/dLを超えると結晶化し白血球が処理しようとする際に炎症を起こします。

関節に炎症が起これば急性関節炎(=痛風発作)を起こし、一時的に強い痛みを生じるのです。

これがめちゃくちゃ痛いらしい。

また耳翼や足指、眼瞼には痛風結節がおこりやすいです。
更に重症化すると腎機能障害をきたします。

おまけ:「痛風」という名前の由来

風がそこにふきつけられるだけで激しい痛みを生じることから『痛風』と名付けられたそうですよ。

尿酸が血中に増えてしまう原因は2つ

尿酸が血中に増えてしまう原因は下記です。

尿酸が血中に増える2つの原因

  1. 腎機能が低下し十分の量の尿酸を排泄できなくなる
  2. 摂取するプリン体の量が多くなる

どちらの要因で尿酸値が高くなっているのかがわかると、治療や生活指導の方針が決まってきます。

症状を知っておこう

まずは「痛風発作」があります。

痛風発作が起こる場所

  • 足の親指の付け根
  • 足関節などの関節痛

発作的に起こるものなので、しばらくすれば治まります。

しかし痛風発作が重症化してくると、今度は以下のような症状が起きます。

痛風発作が悪化すると

  • 関節の腫れがひどくなる
  • 痛風腎になる
  • 腎臓結石
  • 尿管結石

腎臓に影響してくると他の排泄機能も低下するので一気に重症となるリスクがあります。

腎臓まで悪くならないように、早期から治療するのがとっても大切です!

余談:女性に痛風患者が少ない理由

それは、女性ホルモンに腎臓から尿酸排泄を促す作用があるからです。
腎機能が悪いと微妙ですが、問題なければリスクはあまりないようですね。

ちなみに、30歳以上の男性は高尿酸血症が30%以上(女性は50歳で3.7%)で、痛風は1%を超えているらしいですよ。

30代以上男性の3割が尿酸値高いって怖くないですか()

「痛風・高尿酸血症」見るべき検査データ


尿酸、白血球、CRP、赤沈、クレアチニンクリアランス、尿浸透圧を見ましょう。

具体的にみていきます。

高尿酸血症の患者がデータ上どうなるか、をピックアップします。

尿酸

7mg/dL以上あると結晶化するリスクがあり注意。前日の食事や内服の影響を受けます

白血球

増加する。痛風発作に伴い炎症反応がでてきます

CRP、赤沈

白血球と同じ

クレアチニンクリアランス

重症化すると低下する。尿酸結晶が腎臓髄質にくっついて、髄質障害がメインの痛風腎となり、最後には糸球体濾過機能も低下してきます

尿浸透圧(尿検査)

重症化すると尿細管障害のため、尿の濃縮力が低下します

痛風発作が起きている時は血清尿酸値は低くなるので注意してください!

「痛風・高尿酸血症」の治療(ここは簡単に)

治療は医師が選択するので、下記のイメージさえできていれば大丈夫です。

  • 痛風発作がある場合→痛みを抑えるためにNSAID使用
  • 痛風発作予防として→コルヒチンを内服
  • 発作がない場合→血清尿酸値を下げるための治療

などを行います。

看護師は治療に伴い、生活指導や薬剤調整などが大切になってきますね。
次は看護について詳しく見ていきましょう。

「痛風・高尿酸血症」の患者への看護

  • 痛風発作がある患者に対する看護
  • 痛風発作がない患者に行う看護

にわけて説明していきます。

痛風発作がある患者に対する看護

主に痛みに対する薬剤調整が必要です。

観察項目

  • 患者の痛みの程度
  • 痛みがADLに与える影響
  • 尿酸値の経時的な推移

これらをアセスメントしながら、発作による苦痛を緩和していきます。

痛み止めの調整も大事

  • 痛み止めは一日どれくらい使えるのか
  • 何時間あけて使ってよいか

などを事前に医師に確認し、万が一のときに対応できる準備をしておけるといいですね。

また、入院中の食事も医師に確認して選択していく必要がある場合があります。

「食事の制限はあるのかな」
「持ち込み食とか希望あったら大丈夫かな」

そんなところまで考えられたら、満点です。

痛風発作がない患者に行う看護

主に生活習慣の指導がメインとなります。

主な生活指導

  • ビール多飲は控える
  • ビール以外にもアルコールを控える
  • 肉類しか食べない、など偏った食生活は控える

また、尿酸値が高い場合には内服が始まることも。

血清尿酸値が8mg/dL以上の場合

  • 尿酸生成阻害薬
  • 尿酸排泄促進薬

これらを検討したりします。

尿路結石予防のためには、クエン酸製剤を投与します。

プチ情報

高尿酸血症は動脈硬化性疾患のハイリスク因子にもなるそうです。

痛風発作がなくても、尿酸値のコントロールは大切なんですね。

まとめ

以上、「痛風・高尿酸血症」の病態看護まとめでした。

本記事のポイントまとめ

  • 高尿酸血症(7mg/dL)は痛風の発症だけではなく、動脈硬化性疾患に対してハイリスク
  • 検査データでは尿酸、白血球、CRP、赤沈、クレアチニンクリアランス、尿浸透圧を見ましょう
  • 治療としてはNSAIDs、尿酸排泄促進薬などの内服、生活習慣の見直しなどを行う
痛風・高尿酸血症の看護についてなんとなくイメージがついたでしょうか!

正直、NSAIDsの投薬とか内服指導は簡単だけど「生活指導」ってめちゃくちゃ難しいですよね。

その人がどんな生活スタイルでどんな趣向を持つのかを情報収集して、指導に活かす必要があります。

場合によってはパンフレットの作成も効果的かもしれません。

なんにせよ、生活指導の目的は「患者が痛風・高尿酸血症を繰り返さないこと」です。

そのためにできる指導を、チームで共有しながら入院生活中にクリアできるよう行っていきましょう。

それでは、今回は以上です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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