発見――「子宮内膜症の予防」に「ピル」が効果的という医学的な知見
こんにちは、にこや(@nikoya_1234)です!
先程2020年の論文を読んで驚く事実を発見しました。
なんと「ピルが子宮内膜症の予防になる」ようです!
本記事の内容
- 子宮内膜症の概要
- ピルはなぜ子宮内膜症を予防できるのか?
- 今子宮内膜症ではない若い人も、予防としてピルを飲むメリットは大きい
ピルが子宮内膜症の症状緩和として使われることは知っていましたが、予防にもなるという見解には初めて出会いました。
「ピルって結局いいの?使おうかどうか悩んでるんだけど」という人の背中を押せる記事になっています。
2つの学術論文を取り上げわかりやすくお伝えしていきますので、ぜひ最後までお読みくださいm(__)m
1.子宮内膜症の概要
子宮内膜症とは
子宮内膜症とは、子宮内膜またはそれに似た組織が本来ない場所(子宮以外のところで)発生し、育つ疾患 です。
女性ホルモンによって増殖するので、月経時に本来出されるべきものが出なかったり、卵巣や腹腔に癒着して痛みを引き起こすことがあります。
最終的には不妊の原因にもなってしまう、怖い病気です。
頻発部位
卵巣やダグラス窩(子宮と直腸の間のくぼみ)に発生することが多いです。
なぜこのへんが多いのか、というのは「子宮内膜症の原因」を知ればわかります。
このあと解説します。
2.ピルはなぜ子宮内膜症を予防できるのか?
子宮内膜症についてなんとなく理解できたところで、次は「なぜピルが子宮内膜症を予防できるのか」について深堀りしていきます。
①その答えは、子宮内膜症の原因にある
子宮内膜症がなぜ起こるのか、という問に「これが原因です!」と言い切れるものはまだ見つかっていません。
しかし、こんな考え方があります。
生理がくる時、剥がれた子宮内膜は子宮から膣を通って外に排出されるのが正常です。
しかし、時として剥がれた子宮内膜の一部が卵管を通り、お腹の方に逆流してしまう現象が起こります。
これが、子宮内膜症を引き起こす超初期の原因として考えられている有力な説です。
②子宮内膜症を引き起こす「生理の逆流」は予防できないの?
残念ながら効果的な方法は見つかっていません。
が、
「ピル」を使うことで対策はできます。
月経の量が多ければ多いほど、そして生理の回数が多いほど逆流のリスクは上がりますよね。
つまり子宮内膜症のリスクの観点から言ったら、月イチの生理は「リスク因子」でしかありません。
生理が月に一度来ていることが「正常」であり「望まれるもの」と皆さん思われていると思います。
「生理を止めるなんて身体に良くない!」と思っている方も少なくはないでしょう。
しかし、それがそもそも間違っていたんです。
今子宮内膜症ではない若い人も、予防としてピルを飲むメリットは大きい
若い頃の強い月経痛は、子宮内膜症を発症するリスクになる!
2010年の研究から、10代から20歳前半におこる強い月経痛が将来「子宮内膜症」を発症するリスクとなることが明らかになっています。
相対危険率はなんと2.6倍!
結構驚きの結果ですよね。
私も今はヤーズフレックスを使用していますが、昔はロキソニンを飲んでそれでも痛みを感じながら過ごせていたレベルでした。
子宮内膜症が簡単に治る病気ならまだ良いです。
しかし一度発症すると閉経までずっと付き合っていかなければならない長い病気なので、できれば避けたいですよね。
我慢しなければならないほどの生理は、危険かもという認識を持とう
という認識が一般的になっている世の中。
特に未成年の意思決定を行う親世代は、未だ「ピルは怖いものだ」「体に悪いものだ」という認識が染み付いている事が多く、肯定的な意見を持っていないことが多いです。
しかし、その誤った認識が娘の不妊、そして閉経まで伴う病気のリスクを高めているという認識を持つ必要があります。
今度20歳を超えてきたら、自分でピルの選択をすることが可能となります。
ピルのメリット・デメリットを知り、自分に合った選択をしていけたらいいですね。
生理痛が大変であれば保険診療でピルを使えるかも
「月経困難症」という病態があります。
これは生理痛が重くて鎮痛剤を使ってもあまり改善されなかったり、PMS症状によって日常生活に大きく支障がでている状態。
月経困難症と診断されれば、保険診療で超低容量ピルや低用量ピルの処方をうけられます。
参考「ヤーズ・ヤーズフレックス」の違いを徹底解説します。【選択するポイントも解説!】
実際、私も上記の診断をうけてヤーズから使い始めました。
今はヤーズフレックスに変えていますが、120日間生理がこないのでとても快適なのと、量もとても減ったので痛みも軽減し、正直ロキソニンとか要らないレベルまで改善しました。
ピルには当然お金はかかるしリスクもあることです。
しかし月イチの生理でもある程度の費用はかかってしまうこと、リスクも注意していれば問題ないことを考えると、あとは自分の価値観なのかな、と思います。
まとめ
以上、「子宮内膜症の予防」に「ピル」が効果的という話でした。
本記事のポイントをまとめます
- 子宮内膜症とは、生理の時血が卵巣に逆流してしまう現象が何度も起こって引き起こされると考えられている
- つまり、生理がくればくるほどそのリスクは高まる
- 生理の回数、そして月経量を少なくできるピルは子宮内膜症の予防に効果的である
- 10代から20代前半までに強い月経痛を感じている人は、子宮内膜症を発症するリスクが高いという研究もある
家族設計をしていく上でピルはとても有用なお薬ですが、不妊の原因にもなる子宮内膜症を予防できるという意味でもまた有用であることが判明しました。
参考にした論文の一節にこうあります。
我慢することで得られるものはなにもありません。むしろ、デメリットを得てしまうことが多いでしょう。
身体と心の健康を維持・促進するために、月経に対する意識を少しづつ変えていく必要がありますね。
余談
「ピルの服用を考えているけど婦人科に行く時間がない・・・」という方には、オンライン診療アプリ「スマルナ」がおすすめです。
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性に悩んでいる人こそ、確かな知識をもった相談者は必要ですからね。みなさん、どんどん悩みを解決させて前に進んでいっています。
それでは、今回は以上です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
参考文献
- 江川美保.(2020).「月経随伴症状―機能性(原発性)月経困難症と月経前症候群/月経前不快気分障害」.『雑誌名』60,515-520.
- Treloar SA, Bell TA, Nagle CM, et al:Early menstrual characteristics associated with subsequent diagnosis of endometriosis. Am J Obstet Gynecol 202:534. e1‒6, 2010
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